阿部たたみ店

使いはじめてから良さが増すことを愛でる

世界に誇る日本の文化

私たち畳屋は、新しい畳を納品してから、5年後、10年後の畳の状態を、普段から頻繁に見ています。その経験から、お話しさせていただくと･･･。
中国産は、色ムラや黒いスジが出てきて、全体的に「赤茶色」に退色しています。ささくれができて、そこからボロボロになっていることが多いです。
国産は、色ムラ・黒スジが少なく、キレイな「黄金色」に焼けてゆきます。やがて、艶が出てきてキレイな「アメ色」へと変化してゆきます。
新品のときが100とするならば、
中国産は、年数が経てば50とか60に、価値が落ちてゆく。
国産は、年数の経過と手をかけてメンテナンスすることで120とか130に、味わいが出てくる。
品質面での「国産畳の魅力」は、そんなところにあります。

ささくれがほとんど発生していないため、ボロボロになるということがありません。

肌が直接触れて、部屋の空気を作る物だから大切にしたい

「安心・安全感」の視点から見れば、断然、国産畳です。
中国産の畳表には「売れやすい」ように、着色料が塗りつけられ、有害物質が残留する危険性の高い農薬散布や石炭乾燥を行っています。コストと効率を優先で作るためです。
国産品は、どの生産者が育て、織った畳表であるかが、一目瞭然です。すべての畳表には、誰が作ったのかわかるように、生産者名のラベルが貼りつけられています。
それぞれの農家さんが、自分の畑で、土・水・肥料・育て方に、工夫をこらして「い草」を育てているのです。
畳は、農産物です
単純に、スーパーで輸入品の農産物を選ぶように、考えてもらえれば良いと思います。
「中国産」ラベルの野菜を買うのか、「国産」ラベルの野菜を買うのかと。

畳は農産物です。単純に、スーパーで輸入品の農産物を選ぶように、考えてもらえれば良いと思います。

農家であり、職人でもある、日本のい草農家さんたちの熱き想いを届けたい

大きく違う点が一点、畳表が、他の農家さんとあります。
それは「農家さんが物をそだてて出荷するだけではない」という点です。
中国では企業が、使用人を大量に雇い、大きな畑と、大きな工場で、流れ作業によって畳表を生産しています。
国産の畳は湿度・温度を調節して乾燥させ、選別したい草で、どの織り糸を使って、どんな織り方で行うのか・・畳店や消費者の希望を聞いて作ってくれます。
機械のメンテナンス・織り糸の貼り具合を調節し、１枚１枚、自分で「畳表」を完成させます。命を吹き込む水の管理を行うこと、良く肥えた畑の土を作る事から始まり、最後は織って完成するところまで、大自然の中で丹精込めて育て、工夫を重ねて行った畳表には「熊本の農家さんの熱き想い」が満ち溢れています。

イ草を選別して、自分の織り機で、自分の手で、「畳表」となるように織り上げます。